&mに込めた想い ー私が美肌を追求する理由ー 前編
私は幼少の頃より、敏感・乾燥肌の上、決して軽度とはいえないアトピー性皮膚炎でした。そしてこれは過去形の話ではなく、今現在も極度の敏感・乾燥肌であり、最近の検査結果でもアトピー性皮膚炎と診断されている現在進行形の事です。
しかし今の私は、当時のような目に見える症状はなく、誰もアトピー性皮膚炎だと気づく人はいないでしょう。
それは、私の母が毎日欠かすことなく私の肌をケアし続けてくれたからこその結果であり、言葉では言い表せないほど感謝しています。
そして、母への感謝の気持ちが、そのまま私自身の素肌の美しさに対するこだわりに反映され、&mを創るきっかけにも繋がっています。
【１．1日に何度も・毎日私の肌をケアし続けてくれた母】
アトピーの症状が酷かった当時の私は、少しでも肌に刺激のある服を着るだけで赤く腫れてしまい、そこが痒くてたまらず血が出るまで引っ掻いてしまう事もありました。自分で引っ掻くことすらできない乳児期には、抱えられた母の体に肌をこすりつけていた事もあったそうです。
またアトピー特有の見た目から、衛生的に問題があるように思われたり、感染するのではないかといった誤解も未だに根強くありますが、当時の私も周囲の視線や反応に怯えながら過ごしていましたし、実際に無知ゆえの心無い言葉を投げつけられ深く傷ついた事もありました。
そんな見た目に対して強いコンプレックスを持っていた私は、本当は着てみたい服があっても、それとは別のできるだけ肌が隠れる服装を選んだり、恋愛に興味を持ち始めても、相手の反応が怖くて、気になる異性がいても踏み込めずにいました。
このように私は、自分がアトピー性皮膚炎であることをできるだけ隠す事を優先してしまい、常に自分に自信が持てない状態でした。
このような悩ましいアトピー性皮膚炎には、肌が保湿された状態が望ましいため、お風呂以外の全ての時間、顔を含めた全身がクリーム剤で覆われていました。そのため常に肌がペトペトとした気持ち悪い状態で過ごしていましたし、それでも痒みが酷い時はステロイド治療もしていました。
そんな私の肌を少しでも良くしようと、母は1日に何度も何度も塗り直してくれました。それこそ幼い頃は、食事で口の周りを拭く度に塗り直してくれた事を今でも覚えています。
決して軽くはないアトピー性皮膚炎を患っていた私が、今では全く気にならないほどに改善できたのは、こうした母のケアのおかげであり、感謝の気持ちでいっぱいです。
私は、このような経験から、夏であろうと冬であろうと、とにかく肌は「保湿」する事がとても大切であるということを身をもって感じてきました。
そのため、これまでアトピーを始めとする沢山の肌トラブルと向き合う中で、人並み以上に様々なスキンケアを試してきました。
コラーゲン、プラセンタ、イソフラボン、エプソムソルト、ココナッツオイル、韓国コスメや、温冷ケアによる引き締め、ピーリング等々、肌に良いと話題になるものは一通り試してきたと思います。
しかしこれらはスキンケアの中でのオプションでしかありません。
私は、様々なスキンケアを試しながらも、常に何かが違うと心のどこかで感じていました。
それは、どんなに良いと言われている高級なブースターや美容液であろうとも、それをきちんと肌に浸透させるには、土台となる自身の肌がクリアな状態でなければ意味がないと、これまでの母のケアを通じて本質的に理解していたからだと思います。
このような自分の中に湧き上がる違和感に向き合う中で、私はスキンケアの中で最も基本的な“洗顔”を見直す必要があると確信しました。
【２．自分が「本当に良いと思えるもの」しか作らないマインド】
“洗顔”はスキンケアの基本であり、最も大事な肌の土台作りに欠かせないものです。
その事に気づいた私は、根が凝り性ゆえ、あらゆる洗顔方法や洗顔料を試しながら、洗顔料の原料や製法までに目を向け、それぞれの役割を事細かに研究するようになりました。
しかし調べれば調べる程、市販されている洗顔料では自分の肌に合う納得のいくものが見つからない事に気づき始めました。この時点で私は肌に対する知識はもちろんのこと、美肌への情熱が自分自身でさえ抑えられないものにまで高まっていました。
そこで私は「ないなら創ればいい」という発想に転換させ、この持て余した情熱を本当に自分が理想とする洗顔石鹸の実現のために費やす決意をしました。
ただ、私自身に製品づくりのノウハウはないので、全国のあらゆる化粧品製造会社数十社に連絡を取り、直接足を運び「理想の石鹸を作りたい」とアプローチすることから始めました。しかしこちらの要望に対して返ってきたほとんどの提案は、いま流行中の成分や原価率の低いものを組み合わせてパッケージ化したものばかりで、私が理想とするものとは程遠く「果たして本当に良いものを作ろうとしているのだろうか？」という疑問が頭によぎったことを覚えています。
そんな中で唯一「ものづくり」に対する考え方が、これまでコンタクトを取った会社とは全く異なる、生粋の化粧品製造会社にたどり着きました。
その化粧品製造会社がある長野県伊那郡は、南アルプスと中央アルプスに挟まれた谷に位置する、真に大自然と呼ぶにふさわしい場所でした。その敷地内には無農薬栽培にこだわった広大なハーブ農園があり、アルプス山脈から湧き出る名水を使用して栽培していました。
「できる限り自ら育てた原料を使用したい」という製造者としての純粋な想いから、自らの敷地で、土を耕し、樹を育て、花を咲かせて、実を採るといったこれらの地道な作業を手懸けていました。
